建設業許可の申請を行う際、付帯工事の位置づけや工事全体に占める割合についての理解が重要です。特に、塗装工事や内装工事などで付帯工事としての足場や電気工事が関係してくる場合、申請時にしっかりと整理しておかないと後々の手続きに影響を及ぼす可能性もあります。この記事では、付帯工事の扱いと注意点について解説します。
付帯工事とは?
付帯工事とは、主たる工事を支援する目的で行われる補助的な工事のことです。たとえば、以下のようなケースが付帯工事に該当します。
- 塗装工事における足場の設置
- 内装工事に伴う軽微な電気工事
- 外構工事での小規模な排水設備工事
付帯工事の位置づけは、工事の種類や内容、請負契約の形態によって異なります。主たる工事を円滑に進めるための一部として位置づけられ、工事全体において補助的な役割を果たす場合は、付帯工事として扱われます。
付帯工事の割合と許可の関係
付帯工事が工事全体に占める割合としては、10〜20%程度が目安とされています。しかし、付帯工事として認められるかどうかは単に金額の割合で決まるものではなく、以下のような観点が重視されます。
- 工事の依存関係
- 付帯工事が主たる工事を支えるために必要不可欠であるかが重要です。たとえば、塗装工事のための足場設置は、塗装を行うために必要な工事とみなされます。そのため、たとえ足場工事の費用が工事全体の20%を超えたとしても、塗装工事に必要な「付帯工事」として扱われることが一般的です。
- 独立した工事にならないこと
- 付帯工事が独立した工事としてではなく、主たる工事に付随して行われる必要があります。例えば、内装工事において電気工事を行う場合、内装工事を支援する補助的な範囲であれば問題ありませんが、電気工事の規模が内装工事と同等だったりすると、独立していると判断される場合は、別途「電気工事業」の許可が必要になる可能性があります。
よくある例:塗装工事と足場工事の関係
特に塗装工事では足場工事が付帯工事として発生します。以下のポイントに留意しましょう。
- 付帯工事としての足場:足場は塗装を行うために不可欠であり、通常は塗装工事の付帯工事として扱われます。
- 足場費用が20%を超える場合:工事全体の20%を超える場合でも、塗装工事の一部として申請するのが一般的です。ただし、塗装工事と足場工事が別の工事業者によって行われる場合や、足場が大規模になる場合は、「とび・土工工事業」の許可が必要となるケースもあるため、事前に確認をおすすめします。
付帯工事を申請する際のポイント
- 見積書や契約書の準備
- 付帯工事の内容と費用が分かる見積書や契約書を申請書に添付すると、工事の位置づけが明確になり、付帯工事として認められやすくなります。
- 説明資料の用意
- 申請先によっては付帯工事に関する詳細な説明が求められることがあります。主たる工事を支えるための工事であることを証明するために、設計図や工事写真などの資料を準備するのも良いでしょう。
- 相談窓口の活用
- 許可申請を提出する前に、申請窓口で付帯工事の内容や割合について相談することも有効です。工事内容を具体的に説明することで、必要な許可の有無や申請書類の適切な作成方法が確認できます。
まとめ
付帯工事の取り扱いは、工事の内容や全体の構成によって異なるため、申請の際には細かい部分まで確認しておくことが大切です。特に工事金額の割合だけでなく、工事がどのように主たる工事を支えているかが判断のポイントとなります。許可取得後も受任した業務にそれぞれの許可が必要なケースもあるので、契約の仕方にも注意が必要です。
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